要旨
|
木村鋳造所の歴史は長く、2007年に80周年を迎えた。創業時の同社は、地場産業に密着した小規模な鋳物屋の一つであった。その後、自動車用プレス金型や工作用機械へと事業を拡大し、非量産銑鉄鋳物業においてトップ企業となっている。事業拡大の成功を支えたのは、フルモールド法という技術革新とITの有効活用であった。また、同社の歴史を振り返ってみると、長期的に大きな意味を持った大規模投資がよく目立つ。なぜ、同社ではこのような長期的視野のもとづく経営が可能であったのであろうか。同社の事業拡大や技術革新、IT化、不況時における経営を俯瞰しつつ、持続的競争優位の源泉を考える。
|