要旨
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本稿は、ハイテク横編機メーカーである島精機製作所の技術経営を歴史的に記述したものである。同社は、1962年創業期の全自動手袋網機から半世紀にかけて「島式技術経営」を基盤に、MACH2やSSR機種を含む高付加価値製品を生み出した。同社のコア技術の進化と、尖端技術を用いた多彩な機種開発と製品展開は、既存市場のフォローのみならず、新市場創造を可能にしたという点で、本ケースは技術先導の顧客創造モデルの手本となるものである。創業期から今日に至るまでの島精機製作所によるコア技術と戦略製品の開発、横編機事業の成長を史的分析することで、技術経営、または日本企業が高付加価値を創出する生産方式構築の理論化に対して示唆的な知見を提供する。
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