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著作分類 IIRワーキングペーパー
著者 西口敏宏:辻田素子
論文タイトル 温州人企業家の成功への道―ネットワークとソーシャル・キャピタルの活用
機関名 一橋大学イノベーション研究センター
ナンバー WP#12-03
公開日 2012/03/07
要旨 ※本ペーパーは改訂されていますので、WP#13-09をご参照ください。  本ペーパーは、温州人企業家163人(うち国外在住127人)へのインタビュー調査結果をベースに、世界各地で繁栄する温州人社会のネットワーク構造や温州人コミュニティーのソーシャル・キャピタル、さらに、彼らが繁栄のために利用しているネットワーク戦略を俯瞰するのが目的である。  各位の多様なリワイヤリング能力に注目し、滞在した国・地域の広がり、経験した職種や業種、温州人以外の中国人や外国人とのつきあいの程度などの項目を数値化することで、「リワイヤリング指数」を特定し、その高低によって、温州人企業家を、(1)直近の人間関係を適宜利用し、しかも、ほぼそうした直接的な関係に留まったまま活動する「現状利用型」、(2)既存の人間関係をベースにするとはいえ、適度にランダムなリワイヤリングを積極的に行う「動き回り型」、(3)まったく新規に独力で人間関係を構築する「ジャンプ型」の3類型に分類した。  その結果、温州人企業家の多くは、温州人コミュニティーを利用した「現状利用型」および「動き回り型」であるが、異質な人々とつながり、より普遍的、より合目的的な信頼関係を構築する「ジャンプ型」が一定程度存在することが明らかになった。  温州人コミュニティーを超えた遠距離の世界へ独力でリワイヤリングして活躍する「ジャンプ型」が存在するがゆえに、ジャンプ型が切り開いた新たな世界とも接点を持ちながら利得を確保する「動き回り型」が機能し、そして、「ジャンプ型」や「動き回り型」との「近所づきあい」を保ち、そこに埋め込まれた形で「現状利用型」が生き延びることができるという図式が看取できた。  さらに、ネットワークのつながり方の特性面からいえば、「ジャンプ型」「動き回り型」「現状利用型」のバランスが取れた温州人社会は全体として、情報伝達特性に優れたスモールワールド・ネットワークの属性に共通する特徴を有していると推定される。
備考
参考URL
ラベル ネットワーク
登録日 2012/03/31

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