要旨
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不況は危機か好機か。不況によって今ある製品・サービスの需要が大きく落ち込み、多くの企業が危機に陥ることは事実であるが、それと同時に新しい製品・サービスの機会が生まれていることも少なくない。不況下にどのような企業が生き延びる傾向があるのか、不況時に研究開発活動やイノベーション活動に投資することは有効なのか、それぞれについて、経営学では少数ながらデータに基づく研究がなされている。これらの成果から、不況時のイノベーション活動についての手がかりが得られるのではないだろうか。実際、著者らの行った既存研究のレビューでは興味深い示唆が得られた。不況は特定の条件を満たす企業には好機なのである。本論文では、その詳細を紹介する。
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