要旨
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新型コロナウイルス感染症の流行は、われわれが当たり前と疑わなかったこれまでの慣行に変更を迫る契機となった。その必要性が叫ばれつつも遅々として進まなかったテレワークは劇的に普及した。われわれは今、何のためにビジネスを行うのかを改めて振り返る必要に迫られている。個人の生活様式のみならず、雇用者と非雇用者ひいては個人と個人の「ニューノーマル」な協働のあり方を展望し、構想していくことが求められている。本論文では組織化の原理に立ち返り、階層組織の特徴と限界を振り返る。その上で、経営の常識に挑戦するいくつかの事例を紹介し、新たな協働のあり方を検討する。協働のあり方には唯一無二の理想形があるわけではなく、多様な組織化の原理を持った組織が互いに競争・学習し、時には対立や摩擦を克服するなかで磨かれ、進化していくものである、という結論を導く。
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