要旨
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近年、日本政府のデジタル化の遅れが話題になっているが、本当だろうか。UNDESA(国連経済社会局)が発表した「世界電子政府ランキング」においては、日本の順位は比較的高い。本論文では、日本政府のデジタル化において、単なるオンライン化ではなくデジタル化の「質」としてデジタル・トランスフォーメーション(DX)の視点から取り組むことが必要であり、また、そのためには政府全体の巨大な組織連合体に対するガバナンス対応と、デジタル人材の採用・活躍がカギであることを示す。その上で、政府の司令塔の設置とこれまでの取り組みの経緯における失敗の本質を明らかにし、「課題先進国」日本の今後の取り組みの方向を提示する。
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